創成館 開設の思い

当法人は、創成館の生き残り戦略の第一は、「地域に必要とされる創成館を、地域の皆さんとともにつくり上げていくこと」だと考えています。

経営を考えるうえで収支はもちろん重要です。しかし、収支だけを優先した運営に偏ってしまうと、数年後には創成館が目指してきた運営そのものが崩れてしまうのではないかという危機感を持っています。

私たちは、なぜ創成館が必要だったのか、なぜ創成館をつくったのか、その原点を決して忘れてはなりません。

創成館は、「家に帰れるのに帰れない」「家で暮らしたいのに暮らせない」という高齢者の思いを実現するために立ち上げた事業所です。

当時、法人内にはさまざまな意見があり、創成館の開設に対して大きな困難もありました。。それでも当法人は、「地域には必ず必要な事業である」という信念を持ち、創成館の開設を進めました。

それは、制度のためでも、経営のためでもありません。

「家で暮らしたい」という一人ひとりの願いを支えるためです。

だからこそ、創成館の生き残り戦略は、利用者を増やすことだけではありません。

地域から信頼され、「創成館があってよかった」「困ったときは創成館に相談しよう」と思っていただける存在になることが、結果として利用者にも選ばれ、職員にも選ばれ、持続可能な経営につながると考えています。

そのためには、職員教育を通じて理念を共有するとともに、地域へ積極的に出向き、交流やイベントを継続し、地域の皆さんとの信頼関係を一歩ずつ築いていくことが欠かせません。

地域との信頼関係は一朝一夕に築けるものではありません。しかし、この積み重ねこそが創成館の価値となり、他にはない強みとなります。

創成館が必要とされる理由を見失わず、私たちが立ち上げた原点を大切にしながら、地域とともに歩み続けること。それこそが創成館の生き残り戦略であり、未来につながる経営であると私たちは考えています。

この思いを皆さんと共有し、今後の運営に生かしていきたいと思います。

創成館立ち上げの理念と小規模多機能型居宅介護の生き残り戦略

創成館立ち上げの理念

創成館を立ち上げた原点は、「家に帰れるのに帰れない」施設入所者や短期利用者の思いにあります。

私たちは高齢者施設で多くの利用者と関わる中で、本来であれば適切な支援体制が整えば、自宅で生活を続けられる方々を数多く見てきました。「家に帰りたい」「家で暮らしたい」という利用者の言葉を耳にするたびに、職員も「自宅で生活できるのではないか」「家族の不安を地域で支えることができれば在宅生活は可能ではないか」と感じていたのではないでしょうか。

しかし、現実にはその思いを実現することができず、「家に帰りたい」という願いをあきらめてもらう支援を続けてきました。その結果、多くの利用者は自分の居場所を失い、自分の思いをあきらめ、「仕方がない」と日々を過ごしていました。そのような姿を私は数多く見てきました。

たとえ家族が遠方で暮らしていても、必要な時に必要な支援が受けられれば、自宅での生活を続けることは十分可能です。地域が見守り、地域にある私たちが支えることで、一人の高齢者の「家で暮らしたい」という願いは実現できます。

その思いを形にするために創成館を設立しました。

創成館は、通い・訪問・泊まり・緊急対応というサービスを提供するだけの施設ではありません。私たちの存在意義は、「家で暮らしたい」という利用者一人ひとりの思いを実現することにあります。

そのため、創成館のすべての運営は、この理念とビジョンに基づいて行われなければなりません。理念から外れた運営では、庄内地区に創成館が存在する意味そのものが失われてしまいます。

私たちの支援の判断基準は常に、「この支援は利用者が家で暮らし続けることにつながっているか」という視点でなければなりません。この理念を全職員が共有し、日々の支援に反映していくことが創成館の使命です。

                     白寿園拠点 統括施設長  中別府 義美